
2026年7月作成
心臓弁膜症とは

心臓弁膜症とは、心臓にある4つの弁のいずれかに異常が生じ、弁の働きが正常に機能しなくなる病気です。
弁は血液の流れを一方向に保つ役割を担っていますが、この機能に異常が起こると血流のコントロールが乱れ、心臓に負担がかかります。
主なタイプとしては、弁が十分に開かず血液の通り道が狭くなる「狭窄」と、弁がしっかり閉じず血液が逆流してしまう「閉鎖不全」があります。また、これらの両方が同時に起こることもあります。
弁は血液の流れを一方向に保つ役割を担っていますが、この機能に異常が起こると血流のコントロールが乱れ、心臓に負担がかかります。
主なタイプとしては、弁が十分に開かず血液の通り道が狭くなる「狭窄」と、弁がしっかり閉じず血液が逆流してしまう「閉鎖不全」があります。また、これらの両方が同時に起こることもあります。
心臓弁膜症の種類
大動脈弁狭窄症
大動脈弁が十分に開かなくなることで、左心室から大動脈への血流が妨げられ、心臓に大きな負担がかかる状態です。送り出される血液量も減少するため、心筋が酸素不足になりやすくなります。主な症状として、胸痛、失神、呼吸困難などがみられます。
大動脈弁閉鎖不全症
大動脈弁がうまく閉じず、大動脈へ送り出した血液が左心室へ逆流する状態です。心臓はより多くの血液を送り出そうとするため負担が増え、左心室の拡大を引き起こします。主な症状は胸痛や呼吸困難などです。
僧帽弁狭窄症
僧帽弁が狭くなり、左心房から左心室への血流が妨げられる状態です。血液が左心房に滞りやすくなり、血栓ができるリスクが高まります。息切れや咳(特に就寝時)、動悸などが主な症状です。
僧帽弁閉鎖不全症
僧帽弁が完全に閉じず、左心室から送り出される血液の一部が左心房へ逆流する状態です。その結果、心臓に負担がかかり、徐々に心臓が拡大します。症状としては、息切れや咳、動悸などがみられます。
三尖弁狭窄症
三尖弁が狭くなり、右心房から右心室への血流が妨げられる状態です。現在では比較的まれな病気ですが、静脈の圧力が上昇し、肝臓の腫れによる腹部の不快感や動悸などが現れることがあります。
三尖弁閉鎖不全症
三尖弁が閉じきらず、血液が右心室から右心房へ逆流する状態です。初期には自覚症状が少ないこともありますが、進行すると下肢のむくみや首の静脈の膨らみ、腹部の不快感、全身のだるさなどが見られるようになります。
心臓弁膜症の原因
心臓弁膜症の原因はさまざまであり、中には原因がはっきりしない場合も少なくありません。
代表的なものとしては、加齢による変化、リウマチ熱の後遺症、心筋梗塞などが挙げられます。
近年では、高齢化の進行に伴い、加齢によって弁が硬くなったり変形したりする「変性性弁膜症」の割合が増加しています。
一方で、かつては主な原因とされていたリウマチ熱による弁膜症は、抗生物質による治療が確立されたことで、現在では発症するケースは大きく減少しています。
近年では、高齢化の進行に伴い、加齢によって弁が硬くなったり変形したりする「変性性弁膜症」の割合が増加しています。
一方で、かつては主な原因とされていたリウマチ熱による弁膜症は、抗生物質による治療が確立されたことで、現在では発症するケースは大きく減少しています。
心臓弁膜症の症状

心臓弁膜症の主な症状には、胸の痛みや息切れ、動悸、足のむくみ、体重増加などがあります。進行すると不整脈が現れたり、心不全に似た症状がみられたりすることもあります。そのため、これらの症状だけで心臓弁膜症であると判断するのは難しいとされています。
少しでも気になる症状や、これまでと違う体調の変化を感じた場合は、早めに医療機関へ相談することが大切です。
少しでも気になる症状や、これまでと違う体調の変化を感じた場合は、早めに医療機関へ相談することが大切です。
心臓弁膜症の検査

心臓弁膜症の検査は、まず聴診や心電図、胸部レントゲン検査などの基本的な検査から行われます。聴診では心音に雑音がないかを確認し、心電図では心臓への負担や異常の有無を評価します。胸部レントゲンでは、心臓の大きさや肺の状態を確認します。
これらの検査で弁膜症が疑われる場合には、心エコー(超音波)検査を行います。心エコー検査は、弁の動きや血流の状態を詳しく確認できる最も重要な検査であり、診断だけでなく重症度の評価にも用いられます。
さらに必要に応じて、運動負荷心エコーや経食道心エコー検査を行い、より詳しい評価を行うこともあります。
心臓弁膜症の治療

心臓弁膜症の治療は、弁の構造的な異常を改善することが目的となるため、基本的には内服治療ではなく、外科手術やカテーテル治療が検討されます。
外科手術には、弁をできるだけ残して修復する「弁形成術」と、機能不全となった弁を人工弁に置き換える「弁置換術」があります。人工弁には生体弁と機械弁があり、患者様の年齢や状態に応じて選択されます。
外科手術には、弁をできるだけ残して修復する「弁形成術」と、機能不全となった弁を人工弁に置き換える「弁置換術」があります。人工弁には生体弁と機械弁があり、患者様の年齢や状態に応じて選択されます。
また近年では、体への負担が少ないカテーテル治療も広く行われるようになっています。大動脈弁や僧帽弁に対するさまざまな治療法があり、患者様の状態に応じて適切な方法が選択されます。
外科手術やカテーテル治療が必要な場合は、専門の医療機関をご紹介し、連携しながら治療を進めていきます。
