
2026年7月作成
睡眠時無呼吸症候群とは

睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは、睡眠中に呼吸が止まる「無呼吸」や、呼吸が浅くなる「低呼吸」を繰り返す病気です。
この状態が続くと、体内で酸素不足が繰り返されるため、心臓や脳に負担がかかり、心疾患や脳卒中などの重篤な病気を引き起こしたり、悪化させたりするリスクが高まります。
さらに、睡眠の質が低下することで慢性的な睡眠不足となり、日中の強い眠気や集中力の低下を引き起こすなど、日常生活にも大きな影響を及ぼします。
この状態が続くと、体内で酸素不足が繰り返されるため、心臓や脳に負担がかかり、心疾患や脳卒中などの重篤な病気を引き起こしたり、悪化させたりするリスクが高まります。
さらに、睡眠の質が低下することで慢性的な睡眠不足となり、日中の強い眠気や集中力の低下を引き起こすなど、日常生活にも大きな影響を及ぼします。
チェックリスト
― 睡眠中の症状
いびきをかく、いびきが大きい
睡眠中に呼吸が止まっていると指摘されたことがある
夜中に何度も目が覚める
寝ているのにぐっすり眠れた感じがしない
睡眠中に呼吸が止まっていると指摘されたことがある
夜中に何度も目が覚める
寝ているのにぐっすり眠れた感じがしない
― 起床時の症状
朝起きたときに頭痛がある
起きてもだるさや疲れが残っている
口の中が乾いている
起きてもだるさや疲れが残っている
口の中が乾いている
― 日中の症状
強い眠気を感じる
集中力が続かない
仕事中や運転中に眠くなる
疲れやすい・倦怠感がある
集中力が続かない
仕事中や運転中に眠くなる
疲れやすい・倦怠感がある
― その他の症状
夜間のトイレ回数が多い
これらの症状が複数当てはまる場合や、日常生活に支障がある場合は、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。
気になる方は早めに医療機関への相談をおすすめします。
無呼吸症候群の原因
睡眠時無呼吸症候群の原因は大きく分けて、「気道の閉塞によるもの」と「呼吸中枢の異常によるもの」の2つがあります。多くの場合は、気道がふさがることによって起こるタイプです。
閉塞性睡眠時無呼吸症候群
最も多くみられるタイプで、睡眠中に気道が閉塞することで発症します。
原因としては、肥満による首周りの脂肪の増加のほか、扁桃肥大やアデノイド肥大、あごの骨格、舌の落ち込み、鼻炎や鼻中隔湾曲症などが挙げられます。これらの要因により気道が狭くなり、睡眠中に呼吸が妨げられて無呼吸状態となります。
原因としては、肥満による首周りの脂肪の増加のほか、扁桃肥大やアデノイド肥大、あごの骨格、舌の落ち込み、鼻炎や鼻中隔湾曲症などが挙げられます。これらの要因により気道が狭くなり、睡眠中に呼吸が妨げられて無呼吸状態となります。
中枢性睡眠時無呼吸症候群
呼吸をコントロールする脳の「呼吸中枢」に異常が生じることで発症するタイプです。
この場合、空気の通り道に問題があるわけではなく、呼吸そのものがうまく行われなくなります。そのため、閉塞性にみられるようないびきを伴わないことが特徴です。心不全や脳卒中、腎不全などの病気に伴って発症することが多いとされています。
無呼吸症候群になりやすい方

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、睡眠中に空気の通り道である上気道が狭くなったり閉塞したりすることで、呼吸が妨げられる病気です。
一般的には、肥満の中年男性に多いとされていますが、痩せている方や女性、子どもでも発症することがあります。特に、首が太く短い方や、舌や舌の付け根が大きい方、下あごが小さい、または後退している方など、気道が狭くなりやすい体型の方は注意が必要です。
女性と更年期の関係
睡眠時無呼吸症候群は男性に多い病気とされていますが、女性では更年期以降に発症しやすくなる傾向があります。年齢が上がるにつれて男女差は小さくなり、高齢になると男女ほぼ同じ頻度でみられるようになります。
その背景には、女性ホルモンの一つである「プロゲステロン」の減少が関係していると考えられています。このホルモンは呼吸を促進する働きを持つため、閉経前後に分泌が低下すると、無呼吸が起こりやすくなるとされています。
その背景には、女性ホルモンの一つである「プロゲステロン」の減少が関係していると考えられています。このホルモンは呼吸を促進する働きを持つため、閉経前後に分泌が低下すると、無呼吸が起こりやすくなるとされています。
横向きで寝るといびき軽減?

睡眠中は筋肉が弛緩するため、気道が狭くなりやすく、いびきや無呼吸が起こりやすくなります。特に仰向けで寝ている場合は、舌の付け根が喉の奥へ落ち込みやすく、気道がさらに狭くなることで、いびきや無呼吸のリスクが高まります。
気道が狭くなると、空気が通る際に振動が生じ、いびきとして感じられます。さらに気道が完全に閉塞すると、無呼吸状態となります。
気道が狭くなると、空気が通る際に振動が生じ、いびきとして感じられます。さらに気道が完全に閉塞すると、無呼吸状態となります。
一方、横向きで寝ると、舌や周囲の組織が気道へ落ち込みにくくなり、空気の通り道が確保されやすくなります。そのため、いびきや無呼吸を軽減できる場合があります。
なお、日中のうたた寝や電車・会議中でもいびきをかいてしまう場合は、睡眠時無呼吸症候群の可能性があるため注意が必要です。
睡眠時無呼吸症候群の合併症
虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)
睡眠時無呼吸症候群は、冠動脈の異常によって起こる狭心症や心筋梗塞と深い関連があります。どちらか一方の疾患がある場合、もう一方も合併しやすいとされています。
心不全
無呼吸状態を繰り返すことで心臓に負担がかかり、心機能の低下を引き起こすことがあります。心不全を合併すると、重症化や死亡リスクの上昇につながるため注意が必要です。
脳血管障害
重度の睡眠時無呼吸症候群では、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害の発症リスクが高まると報告されています。
糖尿病
睡眠時無呼吸症候群が重症になるほど、糖尿病を合併する割合が高くなることが知られています。
高血圧
睡眠中に血圧が大きく変動しやすくなり、高血圧の発症や悪化につながります。また、通常の治療では血圧のコントロールが難しくなる場合もあります。
不整脈
呼吸の停止と再開を繰り返すことで自律神経のバランスが乱れ、不整脈が起こりやすくなります。睡眠時無呼吸症候群を改善することで、不整脈が軽減することもあります。
睡眠時無呼吸症候群の検査
種類 | 内容 |
簡易PSG検査 | 睡眠中の呼吸状態や血中酸素飽和度を測定する検査です。 従来は入院が必要でしたが、現在では自宅で行える簡易検査が普及しており、日常に近い環境で検査を受けることができます。 簡易検査でも、無呼吸の有無や程度を把握することが可能です。当院ではこの検査を実施しておりますので、気になる症状がある方はお気軽にご相談ください。 |
ポリソムノグラフィー検査(PSG) | ポリソムノグラフィー検査は、より詳細に睡眠の状態を評価する精密検査です。 呼吸や血中酸素だけでなく、脳波や眼球の動き、心電図、いびき、気流、睡眠中の姿勢などを総合的に測定します。 従来は入院が必要でしたが、現在では自宅で実施できる在宅PSG検査も可能となっており、より負担の少ない検査が行えるようになっています。 |
睡眠時無呼吸症候群の検査費用
睡眠時無呼吸症候群の検査は、基本的に健康保険が適用されます。ただし、検査の内容や実施する医療機関によって、費用は異なります。
検査には、自宅で行う簡易検査と、より詳細なデータを取得するポリソムノグラフィー検査(PSG)があります。PSG検査は医療機関で実施されることが多く、場合によっては入院が必要となるため、その際は入院費や差額ベッド代などが別途かかることがあります。
また、睡眠時無呼吸症候群は高血圧や糖尿病などの生活習慣病と関連することも多いため、必要に応じて追加の検査が行われる場合もあります。
検査内容や費用については事前に説明を受けたうえで、自分に合った方法を選択することが大切です。
検査には、自宅で行う簡易検査と、より詳細なデータを取得するポリソムノグラフィー検査(PSG)があります。PSG検査は医療機関で実施されることが多く、場合によっては入院が必要となるため、その際は入院費や差額ベッド代などが別途かかることがあります。
また、睡眠時無呼吸症候群は高血圧や糖尿病などの生活習慣病と関連することも多いため、必要に応じて追加の検査が行われる場合もあります。
検査内容や費用については事前に説明を受けたうえで、自分に合った方法を選択することが大切です。
検査内容 | 1割負担 | 3割負担 |
簡易PSG検査 | 約720円 | 約2,700円 |
精密PSG検査 | 約3,500円(別途入院費、その他経費) | 約10,000円(別途入院費、その他経費) |
注意点
上記の費用はあくまで目安であり、検査内容によって異なります。
初診料・再診料のほか、入院を伴う場合や他の検査を併せて行う場合は、状況に応じて別途費用がかかります。
正確な費用については、受診される医療機関に事前にご確認ください。
睡眠時無呼吸症候群の治療
CPAP療法

CPAP療法は、睡眠中に専用のマスクを装着し、空気に圧力をかけて送り込むことで気道を広げ、無呼吸や低呼吸を防ぐ治療法です。
自宅で継続して行うことができ、効果が高いことから現在の標準的な治療となっています。ただし、対症療法のため、使用を中止すると症状が再発する可能性があります。
自宅で継続して行うことができ、効果が高いことから現在の標準的な治療となっています。ただし、対症療法のため、使用を中止すると症状が再発する可能性があります。
生活習慣の改善

睡眠時無呼吸症候群は、肥満などの生活習慣が関係している場合も多く、体重管理が重要です。減量により気道の圧迫が軽減され、症状の改善が期待できます。
また、仰向けで寝ると気道が狭くなりやすいため、横向きで寝ることが有効な場合があります。さらに、就寝前の飲酒は筋肉を弛緩させ、気道の閉塞を助長するため控えることが望まれます。
また、仰向けで寝ると気道が狭くなりやすいため、横向きで寝ることが有効な場合があります。さらに、就寝前の飲酒は筋肉を弛緩させ、気道の閉塞を助長するため控えることが望まれます。
睡眠時無呼吸症候群の治療費用
睡眠時無呼吸症候群(SAS)と診断された場合の治療についても、原則として健康保険が適用されます(※一部例外があります)。
主な治療法としては、CPAP療法(シーパップ療法)が広く行われています。CPAP療法は、睡眠中に専用のマスクを装着し、一定の圧力をかけた空気を送り込むことで気道の閉塞を防ぎ、無呼吸や低呼吸を改善する治療法です。
この治療は自宅で行うことができ、継続的に使用していくことが重要です。また、治療効果の確認や機器の調整などのため、定期的な外来受診が必要となり、その都度、診察費用などが発生します。
主な治療法としては、CPAP療法(シーパップ療法)が広く行われています。CPAP療法は、睡眠中に専用のマスクを装着し、一定の圧力をかけた空気を送り込むことで気道の閉塞を防ぎ、無呼吸や低呼吸を改善する治療法です。
この治療は自宅で行うことができ、継続的に使用していくことが重要です。また、治療効果の確認や機器の調整などのため、定期的な外来受診が必要となり、その都度、診察費用などが発生します。
検査内容 | 1割負担 | 3割負担 |
CPAPにかかる月額費用目安 | 約1,500円 | 約5,000円 |
注意点
上記の費用はあくまで目安であり、初診料・再診料のほか、状況に応じて別途費用がかかります。
正確な費用については、受診される医療機関に事前にご確認ください。
日中の眠気と交通事故のリスク

睡眠時無呼吸症候群では、睡眠の質が低下することで慢性的な睡眠不足となり、日中に強い眠気が現れることがあります。これにより、集中力や判断力が低下し、交通事故や労働災害につながる危険性があります。
近年では、睡眠時無呼吸症候群が関与する交通事故も問題となっており、社会的な影響も大きい疾患として認識されています。本人が病気に気づかず、検査や治療が行われていないケースも少なくありません。
眠気やいびきを軽視せず、早期に検査・治療を受けることが、安全な生活を守るためにも重要です。
近年では、睡眠時無呼吸症候群が関与する交通事故も問題となっており、社会的な影響も大きい疾患として認識されています。本人が病気に気づかず、検査や治療が行われていないケースも少なくありません。
眠気やいびきを軽視せず、早期に検査・治療を受けることが、安全な生活を守るためにも重要です。
