胸痛・背中の痛み

2026年7月作成

胸痛・背中の痛みの原因

胸や背中の痛みは、さまざまな原因によって生じます。筋肉や骨、神経など体の表面に近い部位が原因となる場合と、心臓や肺、消化器などの内臓が関係している場合があります。
中には、命に関わる重大な病気が隠れている可能性もあるため、痛みの程度や持続時間、症状の変化には十分注意が必要です。少しでも異常を感じた場合は、早めに医療機関を受診することが大切です。
 胸痛が見られる病気
胸膜炎/心膜炎/心筋梗塞/肺血栓塞栓症/自然気胸/帯状疱疹/肋間神経痛/肋骨骨折 など
 背中の痛みが見られる病気
大動脈解離/膵炎/悪性腫瘍 など

肺血栓塞栓症(エコノミークラス症候群)

肺血栓塞栓症とは、足の静脈や心臓でできた血栓が血流に乗って肺動脈に詰まり、血流を妨げる病気です。突然の呼吸困難や胸の激しい痛みを引き起こし、重症の場合は命に関わることもあります。
診断には主に胸部造影CT検査が用いられ、血栓の有無や閉塞部位を確認します。この病気は緊急性が高く、早期の対応が非常に重要です。
「エコノミークラス症候群」とも呼ばれるように、長時間同じ姿勢で過ごすことが原因となることが多く、飛行機だけでなく、デスクワークや車内での長時間座位もリスクとなります。予防のためには、こまめに体を動かし、足を動かしたり水分をとったりすることが大切です。

帯状疱疹

帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルスによって起こる病気で、神経に沿って痛みと水ぶくれ(発疹)が現れます。胸部では肋間神経に沿って、左右どちらかにピリピリとした鋭い痛みが出るのが特徴です。多くの場合、痛みが先に現れ、その後に皮膚症状が出現します。原因は体内に潜伏していたウイルスが、疲労やストレスなどによる免疫力の低下で再活性化することです。
治療は抗ウイルス薬と鎮痛薬を中心に行われますが、症状が治まった後も神経痛(帯状疱疹後神経痛)が続くことがあるため、早期治療が重要です。

肋骨骨折

肋骨骨折は、外傷や転倒などによって生じるほか、高齢者では骨粗鬆症により軽い負荷でも起こることがあります。
主な症状は、呼吸時や体を動かしたときの痛みで、圧痛や腫れ、内出血がみられることもあります。外傷がはっきりしている場合はレントゲンで診断できますが、軽度の骨折では画像で確認しにくいこともあります。

肋間神経痛・心臓神経痛

肋間神経痛や心臓神経痛は、明らかな臓器の異常がないにもかかわらず、胸に痛みが生じる状態です。痛みは刺すように鋭いことが多く、比較的短時間でおさまることが特徴です。
原因としては、ストレスや自律神経の乱れが関係していると考えられています。基本的には経過観察となりますが、症状が強く日常生活に支障をきたす場合には、鎮痛薬などで対処することがあります。

胸痛・背中の痛みと同時に見られる症状

左腕のしびれ

狭心症や心筋梗塞では、胸の痛みと同時に左腕にしびれや違和感が生じることがあります。これらは心臓の異常による典型的な症状のひとつとされており、見逃せないサインです。
左腕のしびれを伴う胸痛がある場合は、早めに医療機関を受診してください。

肩や首・あごの痛み

心臓の異常による痛みは、胸だけでなく肩や首、背中、あごなどに放散することがあります。狭心症や心筋梗塞の症状として現れることがあり、注意が必要です。
一方で、心臓に異常がない場合でも心臓神経症などで似た症状が起こることがありますが、まずは重大な疾患の有無を確認することが重要です。

息苦しさ・呼吸困難

胸痛に加えて息苦しさや呼吸困難があり、症状が徐々に悪化している場合は、狭心症や心筋梗塞、心不全、気胸、胸膜炎、肺血栓塞栓症などの可能性があります。
これらはいずれも緊急性の高い疾患であり、早急な受診が必要です。

強い咳

胸の痛みとともに激しい咳が続く場合、心疾患や肺の病気(胸膜炎、肺血栓塞栓症など)が関係している可能性があります。
また、検査で大きな異常が見つからない場合は、筋肉・骨・神経の痛みや、咳による肋骨への負担が原因となっていることもあります。特に骨粗鬆症のある方では、咳をきっかけに肋骨骨折が起こる場合もあるため注意が必要です。
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