むくみ

2026年7月作成

むくみとは

むくみとは、体内の水分バランスが崩れ、細胞と細胞の間に余分な水分がたまった状態を指します。医学的には「浮腫(ふしゅ)」と呼ばれます。
人の体は約60%が水分でできており、そのうち約3分の2は細胞の中にある「細胞内液」、残りの3分の1は血液や細胞の間に存在する「細胞外液」です。
これらの水分は、栄養や酸素を運んだり、老廃物を排出したりする重要な役割を担っています。また、血管と細胞の間を行き来することで、体内の水分バランスも保たれています。

しかし、このバランスが何らかの原因で崩れると、余分な水分が細胞の間にたまり、むくみが生じます。
なお、むくみ自体は一時的に起こることも多く、必ずしも病気とは限りませんが、長く続く場合や繰り返し起こる場合には、何らかの疾患が関係している可能性があるため注意が必要です。

むくみの原因

むくみは、血流や水分バランスの乱れによって起こります。血液は、体中に酸素や栄養を運び、不要となった老廃物を回収して心臓へ戻る役割がありますが、この流れが滞ると、余分な水分が細胞の間にたまり、むくみが生じます。
特に血流は筋肉の動きによって促進されるため、運動不足や長時間同じ姿勢でいると血液の流れが悪くなります。例えば、デスクワークや長時間の飛行機移動などで足がむくむのは、ふくらはぎの筋肉が十分に働かず、血液や水分が下半身に滞ることが原因です。ふくらはぎは「第二の心臓」とも呼ばれ、血液を心臓へ戻す重要な役割を担っています。

日常生活によるむくみ

むくみは、日常生活の中のさまざまな要因でも起こります。
塩分を多く摂取すると、体内の塩分濃度を調整するために水分が保持され、むくみが生じやすくなります。また、アルコールの摂取により血管が拡張すると、水分が血管外へ漏れやすくなり、これもむくみの原因となります。
女性の場合は、月経周期によるホルモンバランスの変化によって体が水分を溜め込みやすくなり、月経前にむくみが出ることがあります。このほかにも、睡眠不足、運動不足、ストレスなどもむくみを引き起こす要因となります。

一時的なむくみ

長時間同じ姿勢を続けることで、下半身の血流が滞り、一時的にむくみが生じることがあります。これは、筋肉の動きが少なくなることで血液や水分の循環が悪くなるためです。
このようなむくみは、ストレッチや軽い運動、十分な休息を取ることで改善することが多く、塩分やアルコールの摂取を控えることも有効です。軽度の場合は、睡眠をしっかり取ることで翌日には改善することがほとんどです。

慢性的なむくみ

むくみが長期間続く場合は、病気が関係している可能性があります。特に、心臓・腎臓・肝臓の疾患では、体内の水分調整がうまくいかず、慢性的なむくみが現れます。この場合、むくんでいる部分を指で押すとへこんだままになるといった特徴がみられることがあります。こうした症状がある場合は、早めに医療機関を受診することが重要です。
また、栄養状態の乱れによる低栄養、下肢静脈瘤、リンパの流れが悪くなるリンパ浮腫なども、慢性的なむくみの原因として考えられます。

むくみの原因となる主な病気

むくみは、体内の水分バランスが崩れることで起こりますが、病気が原因となっている場合もあります。特に注意が必要なのは、腎臓・心臓・肝臓の疾患です。

腎機能障害(腎臓病・腎不全)

腎臓は血液をろ過し、老廃物や余分な水分を尿として体外に排出する役割があります。腎機能が低下すると、水分や老廃物が体内に蓄積しやすくなり、全身にむくみが現れるようになります。

心不全

心不全は、心臓のポンプ機能が低下し、血液を十分に全身へ送り出せなくなる状態です。その結果、血流が滞り、特に下肢などにむくみが生じやすくなります。

肝硬変

肝硬変は、肝臓が硬く変化し機能が低下する病気です。肝臓では「アルブミン」というタンパク質が作られていますが、この分泌が低下すると、血管内に水分を保つ力が弱まり、水分が外に漏れ出て全身にむくみが起こります。
 むくみの原因は臓器の病気以外にもあります。

栄養失調

食生活の偏りなどによってタンパク質が不足すると、血液中のアルブミンが低下し、水分が血管外に漏れやすくなります。その結果、全身にむくみが生じることがあります。

下肢静脈瘤

下肢の静脈の流れが悪くなり、血液が滞ることで足にむくみが生じます。血管がコブのように膨らむのが特徴で、特に女性に多くみられます。

リンパ浮腫

リンパの流れが障害されることで水分がたまり、むくみが生じる状態です。手術などでリンパ節を切除した後に起こることがあります。

むくみの改善方法

むくみは、病気が原因でない場合には自然に改善することも多いですが、不快に感じる場合には日常的なケアで改善を図ることができます。

顔のむくみの改善

朝起きたときに顔がむくんでいる場合は、冷水と温水を交互に使って洗顔することで、血管の収縮と拡張が促され、血行が改善されます。また、温めたタオルを顔に当てる「ホットタオル」も効果的で、顔全体の血流を良くすることでむくみの軽減につながります。

さらに、やさしくマッサージを行うことも有効です。クリームなどを使用し、顔の中心から外側へ流すようにさするとともに、耳から鎖骨に向かって首をなで下ろすように行います。鎖骨周辺のリンパを刺激することで、余分な水分の排出が促されます。

体のむくみの改善

体のむくみには、血液やリンパの流れを改善することが重要です。ストレッチや軽い運動により、筋肉の働きを活性化させることで血流が促進されます。特に足のむくみには、足首を回したり膝の曲げ伸ばしを行ったりするほか、つま先立ちでかかとを上下させる運動が効果的です。

マッサージも有効で、足先から心臓に向かって流すように行うと、滞った水分の移動を助けます。足首や膝裏、脚の付け根などを重点的にケアするとよいでしょう。
また、足を心臓より高い位置に上げたり、オットマンなどで足を水平に保ったりすることもむくみの軽減につながります。
入浴によって体を温めることも血行促進に効果的で、全身浴が難しい場合でも足湯で十分な効果が期待できます。
食事面では、塩分の摂りすぎに注意し、カリウムを多く含む食品(野菜や果物など)を適度に取り入れることで、体内の余分な塩分の排出を助けることができます。ただし、腎機能に問題がある方は、カリウム摂取について医師に相談が必要です。

むくみの予防

むくみは日常生活の工夫によって予防することが可能です。まず、適度な運動を習慣化することで血流が改善され、むくみにくい体を作ることができます。階段を使う、早歩きで歩くなど、日常の中で体を動かす意識が大切です。

また、塩分の過剰摂取はむくみの大きな原因となるため、外食や加工食品の摂取には注意が必要です。カリウムやマグネシウムを含む食品を取り入れることも、むくみ対策として有効です。
アルコールの摂りすぎもむくみを引き起こすため、適量を守り、休肝日を設けるようにしましょう。さらに、体を締め付ける服装は血流を妨げる原因となるため、ゆとりのある衣類を選ぶことも大切です。
冷えは血行不良を招くため、特に足元を冷やさないように心がけ、必要に応じてレッグウォーマーなどを活用しましょう。入浴や足湯で体を温める習慣も、むくみ予防に効果的です。
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