心雑音

2026年7月作成

心雑音とは

心雑音とは、心臓の音に混じって聞こえる異常な音のことで、血液が流れる際に生じる振動によって発生します。特に、血液が狭い隙間を速い速度で通過すると、振動が強くなり雑音として聞こえます。
心雑音は必ずしも心臓の病気を意味するわけではありません。血流が増えている状態でも聞こえることがあり、例えば甲状腺機能亢進症や貧血、自律神経の興奮などでも生じることがあります。

一方で、心臓の構造的な異常が原因となる場合もあります。動脈硬化などにより弁が狭くなる場合や、心臓の筋肉が厚くなる場合にも雑音が生じます。また、弁が完全に閉じず血液が逆流する場合にも音が発生します。
特に成人で新たに心雑音を指摘された場合は、弁膜症の可能性が考えられます。弁膜症とは、心臓にある4つの弁のいずれかに異常が生じ、血液の流れに支障が出る状態を指します。

心雑音の原因は、心エコー(超音波)検査によって比較的簡単に確認することができます。健康診断などで心雑音を指摘された場合は、放置せず早めに医療機関へ相談することが大切です。
 心雑音を指摘されても問題ないこともある
健康診断で心雑音を指摘されても、すべてが病気に直結するわけではありません。
例えば、体格が細い方や血圧が高めの方では、通常より心音が強く聞こえる「心音の強勢」がみられることがあります。また、本来の心音に余分な音が加わる「過剰心音」もあり、これらも広い意味で心雑音と表現されることがあります。
このように、心雑音の中には一時的な状態や体質によるものも含まれますが、心臓の異常が隠れている可能性も否定できません。
そのため、心雑音を指摘された場合は放置せず、必要に応じて検査を受け、定期的に心臓の状態を確認していくことが大切です。

心雑音の原因として考えられる病気

心雑音はさまざまな原因によって生じますが、大きく「心臓の病気」と「心臓以外の原因」に分けられます。

弁膜症

心臓には4つの弁があり、これらが正常に開閉することで血液は効率よく全身へ送られます。この弁の動きに異常が起こる病気が弁膜症です。
主なものには、大動脈弁狭窄症・閉鎖不全症/僧帽弁狭窄症・閉鎖不全症/三尖弁閉鎖不全症などがあります。

特に高齢者では、加齢や動脈硬化により大動脈弁狭窄症が多くみられ、重症化すると失神や突然死の原因となることがあります。また、高血圧や不整脈がある場合には、血液の逆流を伴う弁膜症(僧帽弁・三尖弁閉鎖不全症)も多くみられます。
診断には心エコー検査が有効で、弁の動きや血流の状態を詳しく確認できます。

先天性心疾患

生まれつき心臓の構造に異常がある病気です。代表的なものとして、心房中隔欠損症や心室中隔欠損症(心臓の中に小さな穴がある状態)があります。
心房中隔欠損症は成人で見つかることも多く、心室中隔欠損症は自然に閉じることもあります。
いずれも心エコー検査で診断が可能です。
特に小児で心雑音を指摘された場合、多くは問題ありませんが、病気が隠れている可能性もあるため、精査が重要です。

心臓以外の原因(機能性心雑音)

心臓自体に異常がなくても、以下のような状態で心雑音が聞こえることがあります。
貧血
甲状腺機能亢進症
発熱
運動後
妊娠
これらの状態では血流が増加し、血液の流れが速くなることで一時的に雑音が発生します。
必要に応じて血液検査を行い、貧血や甲状腺機能の異常がないかを確認します。
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